1年を通して、常に一定の割合でトラブルの元となっていますのがバッテリーです。
JAFの出動依頼もバッテリートラブルが最多の原因で有るという話をお聞きになった方も多い事でしょう。
全くエンジンをかけていなければ、冬場であれば2ヶ月ほどで始動不能になってし
まってもおかしくありませんし、ちょくちょく乗る方でも都内での短距離移動が中心というようなケースでは充分な充電量が得られず、ある日突然出先でバッテリー上がりをおこしてしまうこともあります。これらはメーカーが想定した走行パターンから外れている事が原因ですから、対策としてできますのは「充電」だけです。国産車から乗り換えられた方には考えにくい事のようで、実際にバッテリー上がりを起こさないと分かって頂けないのが残念です。
バッテリー上がりを起こしたインジェクションのオートバイでは、キャブ車とは異な
り「押し掛け」が基本的にできません。燃料ポンプが作動しない為、ガソリンが送り込まれないからです。他車からブースターケーブルを繋いで行う「ジャンプスタート」でエンジン始動が可能となりますが、その後そのまま性能を発揮できない状態のバッテリーで走行を続けますと最悪のケースではエンジン制御コンピューターが壊れてしまい、コンピューターを新品に交換する以外修理不能となることもあります。役割を果たさなくなったバッテリーは発電された電力を貯める事ができず、精一杯発電された電気が電装系全体にダメージを与えてしまうのです。
乗る前日に充電するという方もいらっしゃいますが、弱ったバッテリーを長期間放置
すると劣化が進みますので、数ヶ月に1度くらいしか乗らない方の場合ではこの方法が一番危険かもしれません。出発時に問題無くエンジンがかけられたのに、走行中の充電が不十分となり出先で始動不能となる可能性の高いやり方と言えるかです。
トラブルを避ける為、また高価なバッテリーを長持ちさせる為にも1~2ヶ月ごとに
適切な充電器での充電をお願いします。